株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブでは、令和5年4月28日に定時株主総会を開催し、第17期(令和4年2月1日から令和5年1月31日まで)の事業報告、決算書類報告を行い、承認されましたのでお知らせするとともに、ファジアーノ岡山の経営状況について報告いたします。
株式会社の事業領域の変更について
経営状況のご報告に先立ちまして、株式会社の事業領域の変更についてお知らせいたします。2022年4月に一般社団法人ファジアーノ岡山スポーツクラブを設立し、アカデミー(普及・育成)に関わる事業等を株式会社から一般社団法人に移管いたしました。それに伴い、当該事業に関わる収入、および費用を株式会社の収支から外しております。また、2022年4月から受託を開始いたしました総社市スポーツセンター等体育施設(5施設)の指定管理業務にかかる収入、および費用を株式会社の収支に追加しております。
経営数値に関して
2022年度の営業収入は18億8241万円、営業費用は18億7664万円、営業利益577万円で2期連続の黒字となりました。
前期と比較すると、過去最高となった入場料、物販を始め、広告料収入などの各項目で増収となりました。いつも応援くださるファン・サポーターの皆さま、地域の企業の皆さまの力強いご支援に厚く御礼申し上げます。また、その他の収入では、総社市の指定管理事業を新たに開始したことが寄与いたしました。
コロナ禍前(2019年)と比較すると、指定管理事業のスタートや、一般社団法人設立に伴う事業領域の変更等があり単純な比較はできませんが、クラブ全体としての事業規模の拡大とともに、トップチームに関する事業もコロナ禍前を上回って成長するまでに至りました。地域の皆さまのお力添えに、重ねて厚く御礼申し上げます。
支出面においては、最も大きな事業であるトップチームの活動について、2022、2023の2年間をコロナ禍からの「リバイバル&パワーアップ期」と捉え、過去最高水準の予算を組んで臨んでおります。「選手・チームスタッフ人件費」は、過去と比較して一見微増に見えますが、アカデミー(普及・育成)を一般社団法人に移管したため当該事業にかかる人件費も2022年度の株式会社の支出から外れており、トップチームとしては2億円近くの予算増となっております。コロナ禍による影響が不透明なことからしっかりとした収入増を見通すことが難しく、期初においては大幅な赤字を想定した予算を組んでおりましたが、ファン・サポーターの皆さまのお力添えで過去最高の入場料、物販収入等のお支えをいただき、さらにプレーオフホーム開催の影響もあって、結果として黒字で期を締めることができました。
現状とこれから
2023年度予算について
2022年度は、過去最高水準のトップチーム予算を組んでシーズンに臨んだ結果、過去最高順位(3位)、過去最高の勝点(72点)を獲得し、2016シーズン以来のプレーオフに進出いたしました。しかしながら、J1昇格を掴み取ることはできませんでした。
今期も、昨年に続き一段ギアを上げたスタンスでトップチームの強化に投資してまいります。また、トップチームの強化と並んで、中長期的な視点にたったアカデミー(普及・育成)の充実も、さらに邁進してまいります。
より魅力的なチーム作りのため、チーム強化には引き続き投資していく一方で、本年1月に発表がありました通りJリーグ配分金の均等配分が減額(1.5億円→1億円)となることも決まっております。トップチーム強化のアクセルを踏みこむため今期も赤字を想定した当初予算となりますが、同時に経営基盤の安定化を図る舵取りもしっかり行ってまいります。
2023シーズンは、声出し応援の解禁やマスクの着用ルールが緩和され、そして5月には新型コロナウイルス感染症が5類に移行することも予定されております。ご来場くださる皆さまが安心して観戦いただけるようしっかり取り組み、2024シーズンにはコロナ前の水準である平均入場者数1万人への回帰を目指し、歩みを進めたいと考えております。
地域のスポーツ
トップチームの活動と並んで、地域の子どもたちと選手の交流、サッカーを始めとしたスポーツの育成・普及(スクール)活動、そして一般社団法人が主となりますが新たにテニス事業もスタートいたしました。さらに、指定管理者として地域のスポーツ環境の整備・向上にもしっかり取り組んでまいります。
皆さまへのお願い
毎年のお願いで恐れ入りますが、クラブの最も大きな収入が広告料であることは変わりなく、ファン・サポーターの皆さまにおかれましても、可能な範囲で結構ですので、ファジアーノ岡山のスポンサー・パートナー企業の商品・サービスをご購入、ご利用くださいますと幸いです。また、ご購入・ご利用まで至らずとも、SNS等でスポンサー・パートナー企業様へのポジティブな発信につきましても、引き続きご協力をお願いいたします。
フットボールスタジアムの建設に向けて
今季、クラブは「J2優勝」を目標としてスタートいたしました。シーズン終了まで、J2優勝を目指してチームは戦い続ける所存です。
J1昇格をごく近い未来として見据えた場合、現在のシティライトスタジアムでは入場可能数の不足が想定されます。また、隣県の広島を始め、全国でフットボールスタジアムの建設に向けた動きが着々と進んでおります。
子どもたちの憧れの地となり、50年後、100年後の岡山のシンボルの1つとなるフットボールスタジアムの建設は、J1昇格と並び、クラブ、そしてクラブを応援くださる皆さまとともに成し遂げたい大きな目標の一つです。
国内外の例を見てもスタジアム建設をクラブ単独で行うのは難しく、自治体を始め、地域の皆さまのお力添えが必要となります。
スタジアム建設に向けた最短の近道は、現在のスタジアムがチケット完売となって「多くの県民が入りたくても入れない」実績を一つでも多く作ることと考えており、過去最多の年間3回以上の「チケット完売」の試合を達成したいと考えております。重ねてのお願いとなり恐れ入りますが、ぜひご家族・ご友人をお誘いいただき、スタジアム建設に向けた気運醸成にお力添えをいただけますと幸いです。