株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブでは、令和7年4月30日に定時株主総会を開催し、第19期(令和6年2月1日から令和7年1月31日まで)の事業報告、決算書類報告を行い、承認されましたのでお知らせするとともに、ファジアーノ岡山の経営状況について報告いたします。
PL(損益計算書)サマリー
経営数値に関して
2024年度の営業収入は20億36百万円、営業費用は21億45百万円、営業損失▲1億8百万円となりました。
営業収入については、J2リーグのホームゲームが21試合から19試合へと2試合少なくなった中ではございますが、ご協賛社数の増加や、平均入場者数の増加、J1昇格プレーオフへの進出とJ1昇格に伴う記念グッズの販売などにより、23年度比99百万円の増収となりました。それぞれの収入項目の内訳をみますと、広告料収入9億10百万円、入場料収入2億93百万円、グッズ収入2億37百万円となり、いずれも過去最高となりました。
営業費用についても、各項目で過去最高となりました。事業費については、合宿費や遠征費等チーム関連費の増加もあり、前年比1億円の増加となりました。また、選手・チームスタッフ人件費についても引き続き積極的に強化費を投じ、過去最高額となりました。一つ一つの取組みに加えて地域の皆さまのお力添えを受け、初めてのJ1昇格の切符を手にすることができました。
入場者数の推移
例年以上の雨天日や夏場の酷暑日が試合開催日と重なりながらも、多くのファンやサポーターの皆さまにご来場いただいたことで、2024年度ファジアーノ岡山のホームゲーム入場者は、9,188名(前年度比+693名、J2平均比+1,521名)となりました。※昇格プレーオフを含めると9,462名。
Jリーグ全体に目を向けると、広島、長崎、金沢など、新たなフットボールスタジアムの運用が各地で進み、Jリーグ全体の入場者数の増加にも多分にポジティブな影響を与えているものと認識しております。
ファジアーノ岡山は2025年度からはJ1カテゴリーに戦いの場を移しておりますが、平均入場者数が14,350名と大幅に増加しております。(2025年4月25日現在)
現在までのホームゲーム開催日において、ホーム側のチケットはすべて完売しており、多くの観戦を希望される皆さまが、観たくても観ることができない状況となっていることを、クラブとしても大変心苦しく思っております。地域に備わるべき施設の在り方について、関係各所の皆さまとのコミュニケーションを一つ一つ進めてまいります。
また、今シーズンは岡山のファン・サポーターの増加に加えて、毎試合2千名を超えるアウェイサポーターが岡山に足を運んでくださっています。多くのアウェイサポーターが、岡山での試合観戦のみならず、観光、飲食、宿泊を楽しみ、その方々を岡山の皆さまが街中で温かく迎えられ、そういった街での出会いや人々の交流をSNSでポジティブに発信される様子を拝見し、ホームタウンという特性を生かしたスポーツがもつ、街・人との交流に与える大きな力を実感しております。日本最高峰での試合を魅力あふれるものにすることのみならず、地域へのポジティブな影響を波及させられるよう、関係各所の皆さまと連携して取り組んでまいる所存です。
2025年度予算について
2025年度はクラブ史上初めてJ1に挑む年となります。J1初昇格チームにとって高い壁である「J1定着」の礎を築くべく、売上規模のトップラインの最大化を各事業において目指してまいります。費用につきましても、トップチーム強化、アカデミーの環境整備も重要な項目と位置付けながら、各部門でJ1定着への基盤づくりに力を注いでまいります。
中期的なビジョン
今後、シーズン移行、ABC契約の撤廃、プロ初契約の新人選手の年俸上限緩和・撤廃、トレーニング補償金の制度見直しなど、外部環境が大きく変化してまいります。超競争リーグへと改革が進む中、私どものような規模のクラブにとっては一層クラブの強化戦略が重要になるものととらえ、然るべき手を打ってまいる所存です。
そのような中、クラブにおける育成の重要性はさらに増しており、当クラブでは地域全体での選手育成を目指すホームタウングロウンを掲げ、中長期的な視点からアカデミーの更なる充実を図ってまいります。足元では、世代別の日本代表への選出や高校生年代のプロ契約、U-18年代における高校生年代最高峰のトップリーグ「プレミアリーグ」への2年連続の挑戦、U-15年代における全国大会ベスト16進出等、少しずつ芽が出てきた取組みの実績を、さらなる成果に進化させてまいる所存です。
最後に
クラブの経営規模は、公表されているデータからも他のJ1クラブと比べてまだまだ貧弱であり、日本最高峰のカテゴリーに身を置くことができている現状は、決して当たり前ではないものと認識しております。改めまして、「J1定着」に向けて、ご支援くださる皆さまのお力添えを引き続きお願いできますと幸いに存じます。
また、毎年の、かつ厚かましいお願いで恐れ入りますが、クラブのご協賛社様からの広告料が最も大きな収入の柱である中、ファン・サポーターの皆さまにおかれましても、可能な範囲で結構ですので、ファジアーノ岡山のスポンサー・パートナー企業様の商品・サービスをご購入、ご利用いただけますと幸いでございます。また、SNS等でのスポンサー・パートナー企業様へのポジティブな発信も引き続きいただけますと幸いです。