別府キャンプ5・6日目は、ASEプログラム体験と雪山登山を行いました。
ASEプログラムは、グループごとにコミュニケーションを取りながら、野外環境下で与えられ課題を克服していくというものです。
九州の暖かな日差 しの下始まったASEプログラムですが、選手・スタッフたちは大きな声で話し合いながら野外に設置された各課題を達成していきました。
例えば、 「壁」という課題では、4mはある壁を、道具を使わずにグループ全員が登りきるというもの。人間ピラミッドで仲間を持ち上げたり、助走して壁の上にいる仲 間の手にしがみついたり、グループ全員で協力して最後の一人を引き上げた瞬間には、どのグループからも歓声があがっていました。
ASE 体験が終わった後は、いよいよ登山の準備となります。
コンパス、マップ、非常食、アイゼンなど、登山装備の説明を受ける選手たちの表情も、自然と 緊張感にあふれてきます。
そして午後3時、5つのグループに分かれた選手たちは、ベースキャンプ地となる九州九重連山の中岳中腹の法華院温泉を目 指して出発していきました。
それでも、初めての本格的な山岳登山に高揚感にあふれる選手たちでしたが、山道を2時間半登ってベースキャ ンプに到着するころには表情に疲労の色が濃く表れていました。
今夜の宿は自分たちでの手で野外にテントを設営して、テントの中で眠ります。もちろ ん食事も自分たちで炊き出しを行います。
厳しい寒さの中、慣れない手つきでテントを組み立て、準備された食材を大自然の中で切り分け調理する選手 たちからは、普段のトレーニングとは違ったたくましさが感じられました。
ようやく出来上がったご飯とキムチ味噌煮込み鍋に舌づつみを打った後は、 翌日の登頂に備えて皆ぐっすりと眠ります。
寒さ厳しい翌午前3時。「山の朝は早い。」選手全員がこの言葉を身をもって噛みしめながら、 テントの片づけ、朝食(煮込み力うどん)をグループ全員で協力して済ませ、午前5時にいよいよ山頂へのアタックを開始しました。
雪が積もってアイ スバーン状になったところ、山の吹雪にさらされた崖道、ロープにつかまりながらすすんだ岩場。髪は凍って白くなり、持参したペットボトル内の水が凍ってし まうような非常に厳しい寒さの中、午前7時45分、登山に参加したファジアーノ岡山の選手・スタッフ全員が登頂を果たしました。
自然と溢れ出る歓 喜の雄叫びと抱擁を終えて、吹雪の山頂を背景に写真を撮ります。
大きな不安を抱えて山に入った選手たちに、自信と勇気と絆を与えてくれた中岳を後 にして、選手たちは下山の途につきました。
下山後のふりかえりディスカッションでは、選手たちの口から「協力」「達成感」「絆」「勝 利」といった言葉が響き渡り、また一つたくましくなった選手たちの様子がうかがえました。
明日一日のオフを挟み、別府キャンプはまだま だ続きます。